ミノキシジルの研究 高い発毛効果を目指して、日々研究に取り組んでいます。
Dクリニックでは、より高い発毛効果をだすために、大学や研究機関などと薄毛について共同研究を行っております。近年、ミノキシジル製剤はドラッグストアやECサイトでも購入できるようになり、世の中的になじみのある存在になりつつあります。よりよい治療を行うために、Dクリニックではミノキシジルの研究に日々取り組んでいます。
ミノキシジルと硫酸転移酵素の
研究について
しかし、この硫酸転移酵素(SULT1A1)は人によって、もっている量に差があることがわかっており、硫酸転移酵素(SULT1A1)の活性が高い人はミノキシジルによる発毛効果が高く、活性が低い人は発毛効果が低いということもわかっています※1。
そこで我々は、硫酸転移酵素(SULT1A1)の活性を高めることで、ミノキシジルによる発毛効果を最大化できるのではないかと考え研究を進めてきました。
※1 Postepy Dermatol Alergol. 2022 Jun; 39(3): 472–478.
Sulfotransferase SULT1A1 activity in hair follicle, a prognostic marker of response to the minoxidil treatment in patients with androgenetic alopecia: a review
硫酸転移酵素とは
硫酸転移酵素は、生体外から取り込まれた異物の除去、体内の成分を血液に溶けやすくする働きなど、体内のさまざまな部位で多岐にわたる働きをしている酵素です。
研究
硫酸転移酵素遺伝子の発現を増強する成分の発見
9種類の天然植物由来成分を用い、これらの硫酸転移酵素活性について、ヒト表皮ケラチノサイトを用いて、細胞培養し評価しました。9つの天然植物由来成分の中でも、葛根エキスとゲンチアナエキスにおいて硫酸転移酵素(SULT1A1)の発現が未処理(対照としてPBSを添加)のものと比較して1.5倍以上増加していました。
また、葛根エキスとゲンチアナエキスの濃度を変化させて同様の実験をしたところ、硫酸転移酵素(SULT1A1)の発現が用量依存的に増加していることもわかりました。
この結果は、2018年5月18日~5月20日イタリアボローニャで開催されたEuropean Hair Research Society 2018において、発表されました。
発表演題概要
- <発表タイトル>
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Gene expression of SULT1A1 in human keratinocytes is enhanced in a dose-dependent manner by pueraria lobata root extract and gentiana lutea root
- <発表者>
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医療法人社団ウェルエイジング Dクリニック東京 小山 太郎
- <共同研究者>
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・アンファー株式会社 商品開発部 長田 康孝、波間 隆則
・岩手医科大学 小澤 正吾
・医療法人社団ウェルエイジング Dクリニック東京 小林 一広
葛根エキスおよびゲンチアナエキス配合液による硫酸転移酵素(SULT1A1)の遺伝子発現量の検証
5%ミノキシジルと葛根エキスおよびゲンチアナエキス配合液を塗布した群、5%ミノキシジルを塗布した群、コントロール(未処理)群における、硫酸転移酵素(SULT1A1)の遺伝子発現量を測定しました。5%ミノキシジルと葛根エキスおよびゲンチアナエキス配合液を塗布した群では、コントロール群と比較して硫酸転移酵素(SULT1A1)の遺伝子の発現量が5.7倍(p=0.0036)、5%ミノキシジルを塗布した群と比較すると3倍(p=0.019)有意に増加しました。
この結果から、葛根エキスとゲンチアナエキス配合液を塗布することで、塗布しない場合と比較して、硫酸転移酵素(SULT1A1)の発現を増加させるということがわかりました。
まとめ
葛根エキスとゲンチアナエキス配合液が硫酸転移酵素(SULT1A1)の発現に効果があることがわかりました。この結果を治療に活かすために、葛根エキスとゲンチアナエキス配合液を主成分とした「Dクリニックオリジナル ミノキシジル補助剤 Dミノキブースター」の提供を各クリニックで開始いたしました。治療の効果を少しでもあげるべく、今後も研究に精進し、新しい治療を患者様にご提案できるように努めてまいります。